深川くんが止めに入る前に凛と澄んだ声が吉野くんの名前を呼ぶ。たった、それだけ。たったそれだけで、吉野くんの動きが止まる。
その声の主は、モカブラウンの長い髪を揺らしながら二人に近づくと女子生徒の胸倉を掴む手に白い手を重ねると黒真珠の瞳で吉野くんを見上げた。すると、吉野くんが「羽依、さん」とバツの悪そうな顔をして、お姉さんを見つめ返す。
「翠くんはあたしのために怒ってくれたんだよね、ありがとう。でもね、」
「……、」
「優しい翠くんが、こんな乱暴なことしちゃダメだよ」
そう、諭すように言われると吉野くんは静かに頷いて、女子生徒の胸倉を掴んでいた手を緩めた。
ようやく、解放されて、腰を抜かしたのか、ぺたり、と力なくその場に座り込む女子生徒にお姉さんは「ねぇ」と視線を落として呼びかける。
「な、なに、」
「さっきあたしのこと、翠くんに相応しくないって言ったよね」
「っ、それが、なに、、」
「確かに、あなたの言う通り、あたしは翠くんには相応しくないかもしれない。でもね、」
お姉さんはそこで言葉を区切るといきなり吉野くんのネクタイを掴んで自分の方に引き寄せて
「───は、」
「えっ、」
ちゅ、とリップ音を鳴らしながら、形のいい唇へとキスをした。お姉さんの突然の行動にわたし達と女子生徒…そして、吉野くんまでもが、目を丸くして、おどろく。
そんな中で、ただひとり、お姉さんだけが
「わるいけど、あたし、翠くんのこと大好きだから何言われても絶対に離れないかな」
と、眩しい笑顔を浮かべていた。
その声の主は、モカブラウンの長い髪を揺らしながら二人に近づくと女子生徒の胸倉を掴む手に白い手を重ねると黒真珠の瞳で吉野くんを見上げた。すると、吉野くんが「羽依、さん」とバツの悪そうな顔をして、お姉さんを見つめ返す。
「翠くんはあたしのために怒ってくれたんだよね、ありがとう。でもね、」
「……、」
「優しい翠くんが、こんな乱暴なことしちゃダメだよ」
そう、諭すように言われると吉野くんは静かに頷いて、女子生徒の胸倉を掴んでいた手を緩めた。
ようやく、解放されて、腰を抜かしたのか、ぺたり、と力なくその場に座り込む女子生徒にお姉さんは「ねぇ」と視線を落として呼びかける。
「な、なに、」
「さっきあたしのこと、翠くんに相応しくないって言ったよね」
「っ、それが、なに、、」
「確かに、あなたの言う通り、あたしは翠くんには相応しくないかもしれない。でもね、」
お姉さんはそこで言葉を区切るといきなり吉野くんのネクタイを掴んで自分の方に引き寄せて
「───は、」
「えっ、」
ちゅ、とリップ音を鳴らしながら、形のいい唇へとキスをした。お姉さんの突然の行動にわたし達と女子生徒…そして、吉野くんまでもが、目を丸くして、おどろく。
そんな中で、ただひとり、お姉さんだけが
「わるいけど、あたし、翠くんのこと大好きだから何言われても絶対に離れないかな」
と、眩しい笑顔を浮かべていた。
