翠くんは今日もつれない【完】

あまりの喧しさに両耳を塞ぎながら声のした方に視線を向けると、一年生の証である赤いリボンを付けた女子生徒が吉野くん達の前で仁王立ちしていた。



「え、えっと、翠くんの知ってる子…?」



突然現れた女子生徒にお姉さんは困惑気味に吉野くんの袖を摘みながら尋ねるけど吉野くんは「知らない。」と首を横に振って眉間に皺を刻み込む。


お姉さんとの会話を邪魔されたせいか吉野くんはあからさまに機嫌な顔をしていた。分かりやす過ぎる⋯。


それにしても、、


あのいい雰囲気のふたりの間に割って入るなんて勇気あるな〜と名前も知らない女子生徒に感心しているといっちゃんが「あれって吉野くんの過激なファンの子だよ。あの子、吉野くんに告白した子をいじめたりしてるって良くない噂があるの」と耳打ちで教えてくれた。


いっちゃんが言う通りその女子生徒はかなり難のある性格の子らしく、今日初めて会ったばかりのお姉さんに向かって敵意剥き出しで睨み付けている。