さっきまで女の子達に囲まれて身動きがとれなかったはずの吉野くんが、突如、深川くんとお姉さんの会話を遮るようにふたりの間に割って入った。
吉野くんの予期せぬの行動に深川くんは「おい、翠、邪魔するなよっ、」と吉野くんの背中に向かって抗議するけど、振り返った吉野くんの殺意のこもった形相に、すぐに大人しくなる。
あらら。深川くん、かわいそ。
美人が怒ると怖いってよく聞くけど、あれって本当なんだ。あたし達とは迫力が全然違う。
……って、ん?そういえば吉野くん、なんで怒ってるんだ?と頭の中に小さな疑問が浮かんだ。
その、途端。
「───翠くん、みっけ」
明るく澄んだ声と共にお姉さんが宙ぶらりんの吉野くんの手を掴みながら晴れやかな笑顔を浮かべた。すると、吉野くんはヘーゼル色の瞳を僅かに揺らすとお姉さんの方へと視線を戻して、自分の手を掴んでいる小さな手を振り解くどころか、寧ろ絶対に離さないとばかりに、ぎゅ、と握り返していて。
「今日来るって聞いてないけど」
「だって、行くって言ってないもん。黙って翠くんの教室まで遊びに行ってびっくりさせようって作戦だったのに。あーあ、ドッキリ大失敗」
「そりゃあ、残念だったね」
可愛らしく唇を尖らせるお姉さんに美しく微笑みかける吉野くん。口調はいつも通り淡々としているけど、お姉さんに向ける声色も眼差しも全てが穏やかでやさしい。
仲睦まじいふたりの姿に目を丸くしているとあたしよりも目をまん丸くして見開いているいっちゃんが「純恋(すみれ)、純恋」とあたしの肩をぶんぶんと揺さぶった。
「あのさ。あれって本当に吉野翠、だよね…?」
「実は別人ですって言われた方がまだ信じられるね…」
「あんな翠、見たことねぇわ…」
あたしといっちゃん、、深川くんまでもが、揃って信じられないという顔をする。
吉野くんの予期せぬの行動に深川くんは「おい、翠、邪魔するなよっ、」と吉野くんの背中に向かって抗議するけど、振り返った吉野くんの殺意のこもった形相に、すぐに大人しくなる。
あらら。深川くん、かわいそ。
美人が怒ると怖いってよく聞くけど、あれって本当なんだ。あたし達とは迫力が全然違う。
……って、ん?そういえば吉野くん、なんで怒ってるんだ?と頭の中に小さな疑問が浮かんだ。
その、途端。
「───翠くん、みっけ」
明るく澄んだ声と共にお姉さんが宙ぶらりんの吉野くんの手を掴みながら晴れやかな笑顔を浮かべた。すると、吉野くんはヘーゼル色の瞳を僅かに揺らすとお姉さんの方へと視線を戻して、自分の手を掴んでいる小さな手を振り解くどころか、寧ろ絶対に離さないとばかりに、ぎゅ、と握り返していて。
「今日来るって聞いてないけど」
「だって、行くって言ってないもん。黙って翠くんの教室まで遊びに行ってびっくりさせようって作戦だったのに。あーあ、ドッキリ大失敗」
「そりゃあ、残念だったね」
可愛らしく唇を尖らせるお姉さんに美しく微笑みかける吉野くん。口調はいつも通り淡々としているけど、お姉さんに向ける声色も眼差しも全てが穏やかでやさしい。
仲睦まじいふたりの姿に目を丸くしているとあたしよりも目をまん丸くして見開いているいっちゃんが「純恋(すみれ)、純恋」とあたしの肩をぶんぶんと揺さぶった。
「あのさ。あれって本当に吉野翠、だよね…?」
「実は別人ですって言われた方がまだ信じられるね…」
「あんな翠、見たことねぇわ…」
あたしといっちゃん、、深川くんまでもが、揃って信じられないという顔をする。
