翠くんは今日もつれない【完】

𖤐·̩͙



「ん、ん〜〜…っ、」

「羽依さん、ここ好きなの」

「…っ、すき、」



こくこく、と数回、小さく頷いて、縋り付くように翠くんの腕を掴む。そんなあたしの反応に翠くんは「そう」と満足そうに微笑むと、ちゅ、キスを落とした。

もう何度、翠くんの長い指があたしに絶頂を与えられたのか、、分からない。

だけど、まだ足りない。

まだ足りないの、翠くん。



「すい、くん」

「んー」

「きて」

「、羽依さん?」

「あたし、すいくんがほしいの。だから、、はやく、きて」



甘く溶かされたあたしの身体は、翠くんの熱を求めて手を伸ばした。あたしの手が翠くんの頬へと辿り着くとそのまま包み込んで、あたしからもキスを返す。



「───…、」



ヘーゼル色の瞳が見開かれて、揺らめいた。

そして、僅かに顔を俯かせて、はあ、と小さく溜め息を吐く。

その様子をぼーっと眺めていると「羽依さん」と不意に名前を呼ばれて翠くんの頬に触れていた手に大きな手が重なる。



「あんたって、人のこと煽るのが上手いんだね」

「でしょ」

「余裕かよ」

「一応、あたし、翠くんよりお姉さんだから」



嘘。本当は、全然余裕ない。それなのに強がってしまったのは、年上としてのプライドからだ。

翠くんはそれに気付いたのか「ふ」と声を漏らして笑った。そして、目に掛る黒い前髪をうっとおしそうに掻き上げると桃花眼を細める。


その仕草に身体が、ぞくり、と疼いた。


こんなの、16歳が出していい色気じゃないんですけどっ、、



「じゃあ、煽った責任とってね。羽依お姉ちゃん?」



揶揄うようにそう言うと大きな身体が覆いかぶさって、翠くんの熱があたしの中心へと割って入ってくる。


その後、翠くんの宣言通りにしっかりと責任を取らされて、暫くベットの上から動けなくなったあたしは、もう二度と翠くんのことを煽らないと固く心に誓うのだった。




はじめての、
[END]