だったら、今すぐにでもやらなきゃいけないことがある。
図書委員の仕事を終えた帰り道、すぐに八代にメッセージを送った。
次に会う日に話がしたい、と。こんなの、もっと早くに伝えるべきだったのだ。なんならバレンタインの日、帰ってきてからでもすぐに改めてメッセージを送るべきだった。
それなのに心配する資格がないだとか、そんなくだらないことを考えていた俺は大馬鹿だ。
傷をたくさんつけてしまった。それはもう変えられない。
だったら今できることは、これからしなければならないことは、八代としっかり向き合うことで。来てくれるのを待つのではなく、自分から歩み寄ることで。
責任を感じているのであれば、そんなことは当然のことだ。図書室で先輩と話していなければ
、それにすらも気づけないままだったかもしれない。
八代からはすぐに返事が来た。【わかった】のひと言と、クマのスタンプ。もしかしたら俺からの連絡を今日ずっと待っていたのかも、と。そう考えたら余計、自分が情けなく思えて。
この日は小春ちゃんのことは頭の隅に追いやって、ただ八代のことだけを考えた。
八代に対しての精一杯を、次に会った時に余すことなく伝えられるように。
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それから次の日、俺みたいに長く休むこともなく、八代は学校に来た。
八代が登校してすぐに席までへ行き、直接自分の言葉で再度伝えた。話をさせてほしいと。
そして今、放課後。校舎裏で八代と向かい合う。
「……本当に、ごめん」
「こちらこそごめんね、休んじゃって。あの、普通に発熱しちゃって……星谷くんのせいとかではないので、そこは安心してほしい、です」
「ううん、ごめん」
八代は笑った。それが真実なのか嘘なのか、俺にはどちらかわからなかった。


