「もし、さ。俺が遠くに行くとしたら…どう思う?」

「はい?別に…むしろ静かになっていいんじゃない?」

「…そうかい。」

一気に牛乳を飲んだアイルは、ちらっとリリィの方を見た。

「なっ!?」

そして、ぎょっとした。

「ど、どうして泣いてんだよ!?」

「…え?」

最初、リリィはアイルの言っていることが分からなかった。
しかし、自分の頬に手を当てると、しっとりと濡れていた。

「……悪かったよ。」

珍しくアイルが謝り、それがリリィの止め金を外した。

「もう、訳分かんない!」

泣きじゃくるリリィに、アイルは包むように手を伸ばしたが、すぐに引っ込めた。

しばらく落ち着かない様子でいたアイルだったが、再び手を伸ばし、リリィの頭を撫でた。