いつも部屋で遊んでいたリリィ。
外に出ないから友達なんていなかった。

そして、出会いは突然やってきた。

『おい、開けてくれ。』

窓に鈴の音と黒い影。
リリィは素直に窓を開けてしまった。

「どちら様?」

「しっ!かくれんぼしてるんだ。少しここにいさせて?」

「えぇっ!?」

「じゃ。おじゃましまーす。」

戸惑うリリィをお構い無しに、アイルは部屋に上がり込んだ。

「ちょっと!」

勿論リリィは怒ったが、アイルは笑みを浮かべ、

「俺、アイル。よろしくな。」

自己紹介。しかし、リリィにとって嬉しい言葉だった。だから、それ以上怒れなくなった。

「名前何ていうの?」

「…リリィだよ。よ、よろしく。」