それで...そうそう、颯太と春と僕は、いつも死にたがってた。
だから、周りとの復讐も兼ねて”とある作戦”を思いついた。
それは「作戦A」。
まずは、3人で颯太の親と、僕の父さんを殺す。そしたら、春をいじめてた複数人のうちの主犯格を上手く誘き寄せて誰にもバレないように殺す。そして、誰も立ち寄らないような場所に証拠を全部隠して、3人で暮らす。
学校にも行かないでいい。一生、遊んで暮らすんだ。アルバイトもして、金が貯まったら県外に行って、安い家でも買って、殺人がバレるまで幸せに暮らすんだ。そして満足したら自殺する。そしたら、みんな幸せだし。
悪い奴らは全員死ねばいい。
天才的な作戦でしょ?...まぁ、ただの中学生が考えた作戦だ。完璧じゃないのは当然の話。そして僕たちは作戦のための道具を集めた。まずはドラッグストアで睡眠薬を買って....父さんの酒にでも混ぜようか。それから、台所から包丁を持ってこよう。なるべく大きくて使いやすいのを。
そして僕は、まず父さんを殺すことに成功した。あれ程に脅威だった存在が、腹から血を流して死んでいる。
やっと終わったと思うと、安堵と共に恐怖を感じた。
ずっと前に姉を殺したはずなのに、今はどうしてこんなにも手が震えるんだろうか。
...今日は10月だったかな?だから、こんなに寒いんだ。ああ、手が震える。
それから、父さんをあの公園まで上手く運んだ。大きなダンボールに入れて、はみ出したら切って。
父さんの財布や通帳から全部金を取り出した。これだけならとりあえず、生きていけそうだ。
でも、作戦Aは失敗した。まぁ...ただの中学生が考えた馬鹿みたいな作戦だったし。失敗する確率が多いのは当たり前だろう。
何日も仕事に来ない父さんを謎に思った職場の上司から電話が来た。それから、家にも直接来た。とりあえず居留守はしたけど...父さんは職場で余程信頼されていたのだろうか、それから毎日誰かが来るようになって。だから、颯太と春に相談して、別の作戦にしないかと言った。
そこで考えたのは「作戦B」。まぁ簡単に言えば、殺したい奴らを全員殺した後、自首するっていう作戦。
ただ、僕はその作戦が気に食わなかった。苦しいのはこっちなのに、なんで自首して加害者にならなきゃいけないんだよ。それに、少年院なんか行ったって意味が無い。
そこで、春が提案したのが、じゃんけんで負けたら作戦B実行っていうこと。僕が勝てばやらなくていいし。
って思ったのに僕が負けた。なんでこういう時はじゃんけん負けるんだよ...。
そして僕は颯太の親といじめの主犯格を殺した。自首するから証拠はちゃんと残してやった。そのことを言いに公園に行ったら、春と颯太が、「俺達も殺してくれ」って。理由を聞いたら、僕が捕まるなら3人で居られないし。2人で過ごすのは嫌だってさ。だから、殺した。
寒くて寒くてたまらない。雨も降ってきた。目の前がぼやけてしかたがない。手の震えが収まらない。手についた返り血でさえ、僕の悲しさを掻き立ててしまう。
これを読んでる人、これが僕の動機だ。
わかってくれたかな。

