「「「………(ビクッ…)」」」
その殺気に満ちた彼らを見て、たじろぐ男達。
「…どけ。てめぇら…」
「「うゎッ…」」
愁洩が男達【硫盟】を掻き分けながら、(殴ったり蹴ったりして)恋嘩に近づく。
仲間達も駆け寄った。
『愁…洩ッ…皆ッ…』
「恋嘩…」
愁洩は自分の上着を脱いで恋嘩に被せた。
そして、そっと恋嘩の頬に触れた。
『…ありがと…』
「姫…手ぇ…」
血だらけな恋嘩の手首を見て、隼莵の表情が青ざめる。
そんな隼莵と自分の手首を見て、恋嘩は心配はかけまいと冗談っぽい笑顔を見せる。
『あぁ…これ…なかなか外れんくってさぁ…(苦笑)』
「外れるわけないやん!!!ましてや…女の子の力で…」
弘毅がそんな恋嘩の無理をした笑顔を見て、声を震わせた。
「血ぃ…止めんと…」
「これ使って…。」
智弥が呟くと、甲斐が自分の頭に巻いていたタオルを差し出した。
『ありがと……なぁ…爻は?大丈夫なん?』
タオルを受け取りながら、不安そうな顔を上げる恋嘩。
「…あぁ。あいつなら大丈夫や。外で與氣らが見とる。」
『でも…ケガいっぱいしてて…』
恋嘩の言葉を聞いて、愁洩は歯を食いしばって俯いて…そして声を上げた。
「…人のことばっか考えてんと自分のこともちゃんと考えろやッ!!!」
『!!!!!』
愁洩の大きな声にびっくりする恋嘩。
「こんなんなってんのにお前はッ………つーかごめんな…」
恋嘩の頭をそっと撫でながら、愁洩が発した言葉。
その言葉に、恋嘩は深い疑問を持った。
『………なんで謝んの?』

