恋嘩…遅いなぁー…
美蘭が洗い物をしながら、帰りの遅い恋嘩を心配して、玄関のほうを心配していた。
すると、頭をかきながら台所の入り口を少し屈んで入ってきた愁洩は、「あれー?」と言いながら首を傾げた。
「なぁー。恋嘩知らん?」
その声を聞いて、不安そうな表情をした美蘭が振り返る。
『さっき誰か来て…たぶん宅配便かなって言って見に行ったっきり帰って来ーへんねん…』
「はッ?!マジで!!?」
愁洩が走って玄関のほうに向かう。
しかし、そこに恋嘩の姿はない。
…嫌な予感がよぎる―――
そこへ追い撃ちをかけるように、慚たちから新たな情報が。
「あ、愁洩ー。爻知らん?」
「はッ?爻???爻もおらんのか?」
「荷物運ぶのに先に行ったくせにおらんねん。…つーか「爻も」って?」
既喇が愁洩の言葉に引っ掛かって聞き返す。
「…恋嘩もいーひんねんけど…」
愁洩の言葉に驚く面々。
秀平が更に疑問の声を打ち明ける。
「マジで?!…つーかさっきの客って誰やったん?」
…その言葉で、場の空気が凍りついた。
互いに顔を見合わせ、勝善と翔が顔をしかめる。
「誰も顔見てへんねんろ?」
「荷物も電化製品以外ほかに見あたらんし…」
「なーんかおかしいな…」
諒弥も腕を組んで考える。
「いい予感はしーひんな…」
「そーいや…また硫盟から誘い来てたんちゃうん?」
「でも…まさかなぁ…」
對孜・亮駕・隆峨、そして全員の不安は…的中した。
―――――ピンポーン…