愁洩は、倒れ込んだ恋嘩を抱きかかえた。
「「ありゃぁ…?邪魔が入ったなぁ…」」
「―――ッッッてんめぇぇぇッ!!!」
愁洩が竜馬をも殺しそうな迫力で声を荒げた。
しかし…
ガシッ…
「「やめろ竜馬!!!」」
カズとヒロが竜馬の体を押さえ込む。
「「なッ…離せッ!!!」」
「「やめろっつってんねんッ!」」
ゴスッ…
抵抗する竜馬に拳を入れるヒロ。
「「―――ッ…!!!」」
ヒロの一発で、竜馬はそのまま気絶した…
「姫ッッッ!!!」
大毀の声でハッと我に返り、恋嘩をバッと見る愁洩。
『ゲホッ…』
「恋嘩ッ!!!お前何しとんねんッッッ!!!」
『―――ッ…』
「救急車呼べッ!早よしろやぁッ!!」
舜也が怒鳴り、硫盟の連中が慌てて携帯を取り出す。
愁洩が恋嘩の腹部に触れると、大量の血が手についた。
「なんで俺をかばうねんッ!!!なぁッ…恋嘩!!!」
涙まじりで抱えた恋嘩の肩を揺する愁洩。
恋嘩は、かすかに笑って、愁洩を見た。
『―――ッ…よかった…愁洩が無事で…』
「っ…お前…」
愁洩の目から、涙が落ちた。
『ごめん…なッ…約束…守れそうにないやッ…』
「ッ…何ゆーてんねんっ…」
『一緒に…徹ちゃんを育てよなって…ゆーたのにな…。ずっと一緒にいるって…ゆーた…のにな……。』
「―――ッバカなことゆーてんちゃうぞッ!!!」
もうできない
といったような話し方をする恋嘩に声を荒げて、やめさせようとする愁洩…

