ピピピピピ…



熱を測ると、8度5分まで下がってきていた。





「お。大分熱も下がってきたやん。」

『…ほんまに?』





愁洩の安心した声に、目を覚ました恋嘩が問いかけた。





「あ…わりぃ…起こしちまったか?」

『大丈夫…』





そっと目を閉じながら、傍にあった愁洩の手を、あまり力のない手で握った。



その手を、愁洩もキュッと握り返し、反対側の手で恋嘩の頭に触れた。





「頭痛は?」

『大丈夫やで。』

「そっか。よかった…」





「「「ただいまぁー!!!」」」





その時、玄関から大きな声がして、大勢の足音が聞こえた。



ドタドタドタ…





『こら!あんたらもっと静かにしぃや!』

「あwわりぃw」






途中で、美蘭の怒った声も聞こえたが、その足音は興奮したように、恋嘩のいる部屋の前まで鳴り響き、止まった。




―――――トントン…





「入ってえーか!?」

「うるさくせんなら。」





「しーっ」っと聞こえて、ゆっくりドアが開いた。



―――ガチャ…