―――――トントントン…





『どぉしたん?』






ドアの向こうから、愁洩の声を聞いてやってきた美蘭の声がした。



その声と同時にドアが開き、心配そうな表情の美蘭と諒弥が入ってきた。





「熱…40度んなった…」

『40度かぁ…今がピークみたぃやな…。』

「なんか飲めるか?」





薄目でぼーっと天井を眺めている恋嘩に声をかける諒弥。





『…いい…』

『あかんで。なんか飲まな。点滴しなあかんくなんで?』

『…いやや…』





「点滴」という言葉を聞いて、恋嘩はゆっくり体を起こした。





「ほら…飲めっか?」

『うん…』





愁洩が恋嘩の口にコップを近づけ、ゆっくりと恋嘩がそれを飲んだ。



コクッ…





『そーそー。ちょっとずつでいいから飲みーや。』

『うん……はぁ〜…』





一口飲んだあと、再びコテンッと横になる恋嘩。





『じゃぁ…寝ときぃな。きっと熱も引くと思うし』

『うん…ありがとぉ…』





もう一度、美蘭と諒弥は部屋を出て行った。



――――――――パタン。





恋嘩が目を瞑ろうとすると、傍で心配そうに自分を見てくれている愁洩が目に入った。





『愁洩は寝ーへんの…?』

「いや…俺は起きとく。」

『…そー?じゃぁ…おやすみ…』

「おやすみ。」








―――――そして数時間後





「―――――ッッ…あれ?俺…寝てたんか…?」





恋嘩の寝ているベットに寄りかかって、愁洩も眠っていた。


ふと恋嘩の様子を見ると、落ち着いて眠っている。





『すー…すー…』

「ふー…ちゃんと寝てんな。」