私は恐怖のあまり固まってしまう。このままじゃ斬られる。
すると、アルバート様が剣でナイフを弾き飛ばした。レティシア様はナイフを持ったまま後ろに転び、アルバート様を睨みつけた。
「どうして邪魔するのよ!」
「私はエミリーを愛している! 愛している者を守って何が悪い!」
「っ、こうなったら死ぬしかない」
レティシア様はナイフを自分の首に突き刺し倒れた。私は慌てて屈み、レティシア様に治癒魔法を施す。兵士たちはレティシア様の周りに集まってきた。
「どうして自分を殺そうとしたものを助けるんだ?」
兵士の一人が首を傾げた。それに対して私は微笑みながら答える。
「私はどんな人でも、怪我したり死んだりしてほしくないんです」
治癒魔法で傷が塞がったところで手を離すと、アルバート様に手を差し伸べられた。私はその手を取って立ち上がる。
アルバート様は兵士たちの方を向き、指示を出した。
「連れて行け」
「承知しました」
レティシア様は近衛兵に連れて行かれた。
私の冤罪は晴らされたのだ。
安心してほっと息を吐くと、エドワード様に背中を押された。
「良かったねぇ、エミリー。あとは、ちゃんと兄さんと話しな?」
「へ?」
「行こう、マリア」
「はい」
エドワード様とマリアさんは退室していった。後に残されたのはアルバート様と私だ。私はおずおずとアルバート様の隣へ足を進めた。
