【短篇】君のとなりで












聡に手を引かれて連れて来られたのは屋上だった。


重たい扉を開けると、吹き込んできた冷たい風に思わずたじろいだ。


「さっ寒い…っ」


とてもじゃないけれどセーター一枚で外に出られる状態じゃなかった。


それなのにっ!


「さみ〜な!!」


なんて言いながら聡は跳ぶようにして外に出て行ってしまった。






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