はあ…と小さくため息が降ってくる。 それだけなのに、こんなにも胸がざわざわする。 なんでため息なんてつくの。 掴まれた腕がほんのり熱を帯びていて全部の神経が集中する。 …離してよっ。 ため息つくくらいに私が嫌いならこんなことしないでよっ! 「…なんで泣くんだよっ」 さっきから止まることをやめない涙。 もう泣きすぎて目が真っ赤になっているだろう。 .