うみに溺れる。



「…で?なんでお前ぼっち飯なわけ?」

「っびっくりしたぁ…。なんでここに居るんすか」

「食堂行こうとしたらお前が逃げるように1人でここに行くの見かけたから」


体育館へと続く階段下は人が滅多に来ない穴場。
なのに先輩は俺の後をつけてきてニヤニヤしながら焼きそばパンを齧る俺に近付いて来た。


「いいんすよ、しょうがないから」

「何が?」

「今日、海の友達が休みだから2人で昼飯なんすよ」

「幼なじみ同士で付き合ったらそうなんのか」

「…だから、最初に言ったんですけどね、」

「ん?」

「いや、なんでもないです」


2人が付き合い続ける程俺の居場所が無くなっていく気がする。かと言って2人が別れる事は別に望んでいない。


「…あぁ、俺の海ちゃんが、」

「何言ってんすか」

「んな怒んなよ、冗談だろ?」

「雫玖と付き合ってくれた方が俺も安心なんで」

「何処ぞの馬の骨にやれるか!っていう親心?」

「そんなもんです」