うみに溺れる。



雫玖が居なくなった世界はつまらない。


メイクを変えても前髪を切ってもすぐに気付いてくれて、その都度『可愛いね』と言ってくれた。

他の男子と話していると少し不機嫌になってムスッとしている顔も、私が大丈夫だよと抱き締めると安心したように優しく微笑む顔も。


昨日の事のように全て覚えてる。





『……僕の事、怖い?』





ハッとなって目が覚めた。