ここは譲らないと、強気な美咲の態度に、晴斗は自分の理性が吹っ飛びそうになるのを必死に抑え込んだ。
さっきまで暗闇に怯えて、しおらしく縋りついてきたのに、どこでスイッチが入ったのか、次は頑なに意地を張る。
そうやって、甘えるように弱い自分をさらけ出したり、余裕なんてないくせに、優しさを隠すような強がりを見せてきたり、それはどれも嘘も偽りもない、美咲の素直で愛らしい性格。
目の前で分かりやすく変化する、そのギャップの一つ一つがたまらなくかわいく思えて、晴斗の心をくすぐるように刺激してくる。
「…っ」
本当に、今夜の美咲は反則すぎるだろ…!!
そんな晴斗の気持ちなんて何も知らない美咲は、晴斗の背中をグイグイと押しながら、晴斗の自室へ連れて行くと、部屋の中に身体を押し入れた。
晴斗は素直に、クローゼットの中から着替えを取り出し、濡れた上着を脱ぎ始める。
部屋の中で、しばらく背中を向けていた美咲だったが、見てはいけないと思いながらも不安になり、晴斗の方へ振り向いてしまった。
ぼんやりとした視界にうつる、肌色の大きな背中。
さっきは、その逞しい身体に抱きしめられた事を思い出して、心臓がドキンと音を立てた。
この闇の中では視界が遮られているぶん、晴斗の固い筋肉や、優しい温もりがより強く感じられ、晴斗の身体を鮮明に記憶している自分がいる。
そして、晴斗にもう一度触れられたいと、微かに期待している自分も___

