自宅の玄関に入ると、晴斗は廊下の電気のスイッチを押した。
「復旧は、まだみたいだ…」
家の中へ続く廊下は、部室の中と同じように真っ暗だ。
「外灯も他の家も暗かったから、期待はしてなかったけど…」
「うん…」
自分の家に帰ってきたと言うのに、気分は晴れない。
長い時間、暗闇の中にいたから、目は少し慣れてきたけれど、気持ちは依然、不安定なまま、美咲の心をジワジワと追い詰めていく。
この停電は、一体いつまで続くの?
治ったと思っていたトラウマが再び蘇り、晴斗が今夜助けに来てくれなければ、精神が崩壊していたかもしれないと思うとゾッとする。
「とにかく、何か明かりになる物を探してくるから、美咲はここにいて?」
晴斗はそう言って、美咲の手を離す。

