土曜日の午後、美咲は図書室の新刊整理の為、学校を訪れていた。
他の図書委員の皆と滞りなく作業を済ませ、夕方近くに学校を出る。
サッカー部員が何人か、グランドで練習しているのを遠目で確認し、誰にも見つからないようにサッカー部の部室に近付き、ドアを開けてみた。
開いてる!ラッキー!
部室のドアは鍵がかかっていなかった。
美咲は7畳程の埃っぽいその空間に、サッと忍び込むと、今は使われていないロッカーの一つの中に身を潜め、扉の小さな隙間から、携帯のカメラを構えた。
もう、これしかないっ!!
部活から戻ってきた晴斗の着替えを、ロッカーの中から隠し撮りするつもりだ。
晴斗とは、家でも学校でも顔を合わす機会なんてほとんどない。
ましてや、今の冷め切った仲では、家の中で待っていても生着替えや寝顔撮影のチャンスなんて永遠に来ないのだ。
それならいっそ、晴斗が着替えると分かっている場所、出入りの比較的簡単な部室に、忍び込んでしまえばいい。
立派な重大犯罪だ…
けれど、これさえ終われば、私は晴れて自由の身!
練習は、もうすぐ終わる頃だろう。
何とも言えない、男の汗のむせ返るような匂いに慣れてきた頃、ガラリと、部室の入口が開く音がした。

