意地悪な兄と恋愛ゲーム



「ど、どこで!?」


「駅前の本屋。突然、声かけられてびっくりしちゃった」


「先輩、元気そうだった!?」


「相変わらず日に焼けて、元気そうだったよ」


「そっかぁ…」


 当時の先輩の健康的な笑顔が浮かんで、頬が勝手に緩んでくる。


「美咲の話もしたんだよ?」


「私の!?」


「うん。先輩に私達が同じ高校に行ってるって言ったら、『美咲ちゃんは元気にしてる?』って聞かれたの」


「優ちゃん、何て答えてくれたの?」


「もちろん、『あの頃から何も変わらず元気にしてます』って言ったよ。そしたら、『懐かしいな、美咲ちゃんの顔。久しぶりに会いたい』だって!」

   
「えぇっ!本当に!?」


「だから、そんなに暗い顔して歩いてたら、先輩に会った時、ガッカリされちゃうよ?」


「そっ、そうだよね!」

  
 そう言えば、先輩の卒業式でもらった学ランのボタン、ベッド脇の小物入れの中に、今でもちゃんとしまってあるんだ。


 あの時もう振られてたけど、思い出に下さいってお願いしたら、先輩は嫌な顔一つせず、笑顔で譲ってくれて…


 あぁ、懐かしいなぁ……



 美咲のニマニマとした表情に、隣にいた優香は、安心したようにホッと息をついた___