晴斗は上機嫌に言った。
「美咲は、耳が弱いんだね。かわいくて、たまらない…」
「ち、ちがうっ…」
「違うの?熟した苺みたいに真っ赤にさせてるのに?」
「っ…」
「美咲の弱いところを、もっと俺に教えて?」
晴斗は耳の下のラインにそって、次は首筋に唇を押し当てた。
「あっ…」
吐息も一緒に絡みついてきて、耳で既に敏感になってしまっていた身体は、ビクンと簡単に反応してしまう。
美咲は、フルフルと精一杯首を振った。
「は、なして…」
「やだ…」
「んぅ…」
早くこの場から逃れたい。
だけど膝は震えて、手は押さえ込まれて、頭は晴斗に蹂躙されてしまったかのように言うことを聞いてくれない。
それなのに晴斗は、離さないというように、後ろから更に強く抱き締めてきた。
一生逃れられない檻のような腕の中で、晴斗の好きなようにされて、美咲は悔しくて悲しくて、たまらなくなった。
こんなのは、本意じゃない。
私は望んでいないのに、どうして無理矢理するの?
今も昔も、
私に意地悪しかしない晴斗なんて、大嫌いだ___

