晴斗は、あの子達が苦手なんだ。と、美咲はピンときた。
あの晴斗をここまで追い込むなんて、あの子達、今までよほどしつこく晴斗を追い回してきたんだ。
晴斗には絶対にないだろうと思っていた弱点を見つけた気がして、美咲は嬉しくてたまらない。
晴斗は、自分を見ながらクツクツと笑っている美咲と目があうと、唇に人差し指を当て、静かに!とサインを送る。
誰が、静かになんてしてやるもんですか!
今こそ、逆転のチャンス!
あの子達に今すぐ居場所を教えて、この自信過剰男を今度こそ困らせてやりたい。
美咲は晴斗に向かって舌を出すと、今まさに、こちらへ向かってきている彼女達の元に駆けて行こうとした。
けれどその瞬間、晴斗が美咲の腕を掴む方が早かった…

