意地悪な兄と恋愛ゲーム



「壊れてたら、どうしようかと思った…。私のお小遣いじゃ、弁償なんて出来ないし」


「そうだな。その時は身体で払ってもらうしかないか…」


「嘘っ!」


 目をパチクリさせると、晴斗がプッと吹き出して笑う。


「…っ、冗談だよ」


「やめてっ!晴斗が言うと、冗談に聞こえないの!」


「ごめん、ごめん」と、晴斗は目尻の涙を指で拭う。


「それ、自分で買ったの?」


「向こうにいるときに、父さんが買ってくれた」


「お父さんが?」


「アメリカの俺が住んでたマンション、星が綺麗に見えたから」


「へぇ、そうなんだ…。ここではどうなの?星、綺麗に見える?」


「こっちは曇りが多くて、向こうより見られる頻度は少ないけど、それでも、綺麗な星は見られるよ」


「そっかぁ…」


 星は望遠鏡で見ると、どんなふうに見えるんだろう?

 博物館とかプラネタリウムで、写真や映像でしか見た事ないかも。

 今まさにそこで輝いてる星を、実際に自分の目で観るのとは全然違いそう。


「観てみたい?観るには、何日も前から調整が必要だけど、いつか見せてあげようか?」


 晴斗の言葉に戸惑った。

 本を読んでいると、夜空の星を題材にした物語がたくさんあって、ロマンと神秘に包まれた星々に、興味を惹かれるのは確かだ。



「もしかして、今、悩んでる?」