意地悪な兄と恋愛ゲーム



「天体望遠鏡?」


「そう。この部屋から星や月を観るのが好きなんだ」


 開かれたままのカーテン。

 その窓から夜空を見上げる晴斗の横顔は、確かに生き生きとして見える。


 へぇ。

 晴斗には、そんな趣味があったんだ。


「そ、それ、壊れなかったかな?」


 天体望遠鏡なんて、かなり高価そうだ。

 急に心配になり、オドオドしながら聞くと、晴斗の手の中で、望遠鏡のレンズがポロリと外れた。


「こ、壊れた!?も、もしかして私、壊したっ!?」


 悲鳴のような声を上げる美咲に、晴斗はクスクスと笑って、その場に座ると、レンズをはめ始めた。


「大丈夫だよ。レンズを入れ替えて見るものだから、外れてもいいんだ」


「よ、良かったぁ…」


 美咲も安心のあまり、へたりこむようにその場に座る。