意地悪な兄と恋愛ゲーム



 美咲は晴斗の部屋をグルリと見回した。

 晴斗の部屋は、隣の美咲の部屋と同じ間取りなのに、自分の部屋よりも物が少なく、おまけに綺麗に整理整頓がされている。


 私物どころかゴミ一つ落ちてないじゃん…
 

「なんか負けた気分……」
 

 机の上に再び視線を移した時、しまい忘れの消しゴムが一つ、隅っこに置かれているのが目に入った。


 こ、これだ___!!


 ずっと探し求めていた秘宝を、やっと手に入れた冒険家のような気持ちで、ただの消しゴムに目を輝かせ、それからハッと我に返る。


 何ともバカバカしい。

 見れば見るほど、何の変哲もないただの消しゴムではないか!


 晴斗が使ったからって私には、特別な価値は何も見出せない。

 こんなコソ泥のような事をしなければならない程のものか?


 桜子ならきっと、ハンカチに丁寧に包んで、机の引き出しにしまい、ずっと大切にするんだろうが、私なら、他の使い道を考える。



 例えば___


 昔、晴斗に、ハサミで無残に切り刻まれたウサギ(ミミちゃん)の人形。


 それと同じように、この消しゴムも細かく切り刻んで、このお粥に入れてやるとか!?


 そう!これは、ミミちゃんをズタズタにされた復讐なのだ__!!



 クククと小さな笑いが、胸の奥から込み上がり、「ハハハ!」と大きな笑いに変わった瞬間……





「何してるの?」