「ただいまぁ…」
近くの本屋に寄ってから美咲は帰宅した。
玄関に座って靴を脱いでいると、母が姿を見せに来た。
「お帰り。雨、酷かったでしょう?傘を忘れていったみたいだから、心配してたのよ?」
「うん。でも、学校の傘借りてきたから」
美咲の側に置かれた折りたたまれた傘を見て、母がある事に気が付いた。
「あら。それ、晴斗の傘よ…」
「えっ!晴斗の?でも、私の下足箱にあったよ!?」
「晴斗が貸してくれたのね。きっと濡れて帰ってくるわ。お風呂、沸かしておかなくちゃ!」
母は、忙しそうにその場を後にする。
「晴斗が貸してくれた?な、何で……」
そんな事するの?と、晴斗の濡れた傘を見つめていた時、ガチャンと玄関の扉が開いた。
「……!」
現れたのは、晴斗だった。

