意地悪な兄と恋愛ゲーム





 ____数時間前。

 

 美咲はいつも通り図書室を閉めてから、家とは逆方向にある駅前にいた。

 メイン通りから一本それた裏道にある、白い壁が印象的な小さな洋館造りのカフェ。


「……ここだ」


 今日のお昼に、真美達が教えてくれたイチゴケーキが人気のお店。

 甘いものに目がない美咲は、ソワソワと落ち着かない様子で、ガラス越しに中を覗く。

 小さなショーウインドウの中には、色とりどりのケーキが所狭しと並べられていた。


「……美味しそう」


 お腹の虫がそれに同意するようにグ~っと、返事をする。

 食べたいけど、今、金欠なんだよね…

 来月のお小遣いまで我慢しようかな。


「はぁ…」と、肩を落として落胆した、その時だった。



「……美咲ちゃん?」


 背後から声をかけれ、美咲は振り向き、目を丸くした。
 


 そこには、美咲が好きだった中学時代の先輩、


 水瀬颯真が立っていたからだ___