意地悪な兄と恋愛ゲーム



 晴斗は美咲から顔を反らし、何かを考えるように黙り込んでしまった。


「……晴斗、もしかして嫉妬してるの?」 


 美咲が、晴斗に触れようと、そっと手を伸ばした時、その手をとられて簡単に、ベッドの上に押し倒されてしまった。


 目の前には、少し苛立ったような晴斗の表情が広がっている。


「その通りだよ、嫉妬してる。美咲を俺のものにするのは、まだ時間がかかりそうだって自覚もね…」


 晴斗はそう言って、シーツの上に広がる美咲の髪をサラリと指で掬う。


「教えてくれない?美咲の心を全部、俺に向けさせる方法」


 悲しげに見つめられて、胸がギュッと苦しくなる。


「誰かにこんな、焦れったい感情を抱くのは生まれて初めてなんだ」


 もう一度、美咲の髪に触れようとした晴斗の手は、思い止まるように、空中で握りこぶしに変わってしまう。


「こんなに近いのに、触れるのは簡単なのに……」



 低く呻くように呟いた晴斗の言葉は、今にも消えてしまいそうな程儚げで、美咲はどうしたらいいのか分からなかった_____