「もしかして、中学の時好きだったっていう先輩のもの?」
察しの良い晴斗に若干驚きながら、美咲は素直に頷いた。
「先輩の卒業式の日に、思い出にもらったの」
「へぇ…。箱にいれて未だに大事にしてるなんて。まだ未練があるんじゃないの?」
晴斗は明らかに面白くないように、顔をしかめている。
「前にも図書室で言ったけど、はっきり振られてるから」
「今も、会ってるの?」
「卒業してからは一度も会ってない。連絡先も知らない。元気でいてくれたらいいとは思うけど…」
「家は?この近く?」
「分からない。中学は一緒だし、あんまり離れてないとは思う。友達が最近、駅前で先輩に会ったって言ってたし…」
「で、その時、美咲の話題になったんだね」
「な、何で分かったの!?」
「その友達、美咲にわざわざ話してくるって事はそうなのかなって…」
さすが、晴斗、
鋭すぎ…
「で、その先輩、美咲に会いたいって言ってきたんだ?」
無意識に顔がカッと赤くなってしまう。
それを見た晴斗は、更に苦々しい表情を浮かべた。
「……何も言わなくていいよ。美咲のその顔見たら、分かるから」
「ひ、久しぶりだからだよ。別に私が好きっていう訳じゃなくて、ただ、懐かしいって意味で!」
「どっちにしたって、気に入らないな…」

