意地悪な兄と恋愛ゲーム


「お、起きてたの?」


「今、起きた…。おはよ…」


「お、おはよ……」


「……ところで、俺を残してどこにいくつもり?」


「え、えーっと、携帯電話を。昨日から充電してないな~って…」


「……そんなの、いつだって出来るでしょ?それより俺の事、充電させてあげる」


「晴斗を充電って…。何言ってるの?」


「だって美咲、今から俺を襲うんじゃないの?」


「き、聞いてたのっ!?」


「聞こえてきたんだよ…」


 はっ、恥ずかしい…

 さっきの、声に出ちゃってたんだと、美咲は両手で顔を覆った。


「そ、それはその、何かの聞き間違いだよ?私がそんな事、言うはずないじゃない?」


「違うの?残念だな。期待してたのに…」


 晴斗はそう言って、後ろから耳にチュッとキスをした。

 晴斗の舌は、そのまま美咲の耳を弄ぶように、輪郭を丁寧になぞっていく。


「…っ、は、晴斗…」


 途端に、甘い疼きが身体中に広がっていき、脳まで溶かそうとする。


「んん…」


「美咲に触れないと、目が覚めない…」


 晴斗の耳責めは、もはや触れるとかの次元ではない。

 むき出しの神経を音を立てて舐め尽くされて、どうにかなってしまいそう。


「や、だ、晴斗…やめて…っ…」


 そうなる前に美咲が懇願するように言うと、晴斗は素直に唇を離し、再度、後ろからギュッと抱きしめた。


「…ごめん。朝から刺激、強すぎだね…」


 そう言う晴斗の声は、気怠そうに掠れたまま。

 普段はサッカーであんなに早起きなのに、もしかして朝は苦手?


 それとも……


「眠れなかったの?」  


 美咲の問いに、晴斗はアッサリと認める。


「うん…。全然眠れなかった。美咲のせい…」


 な、何で、私のせいなのかな?


「もしかして、私の寝相悪かった?それとも、いびき?」


 晴斗は美咲の後ろでクスクスと笑って「どっちも違うよ」と言った。

 
 理由を教えられないまま、今度は髪に口づけられる。


「美咲の髪は柔らかくて、いい匂いがする…」


 昨夜、晴斗の髪を乾かした時の事を思い出した。

 サラサラの髪に私と同じシャンプーの匂い。


 
 そんなの、晴斗もじゃん…