意地悪な兄と恋愛ゲーム




 部屋の中、明るいのによく眠ってるなぁ……

 昨夜は、あまり眠れなかったとか?


 形の良い眉毛に長い睫毛、整った鼻梁、薄い唇に、滑らかな肌、繊細でシャープな輪郭。

 全てがお人形のように完璧。


「本当、女の私が不憫になる……」と、美咲はそっとため息をつく。


 にしても、寝顔ならいくらでも見つめていられるかも……


 寝ている晴斗と向き合ってたら、いくらでも素直になれそうな気がするよ。


 昨夜された沢山のキスのお返しを、今してやりたいくらい、実は少しムラムラしてる事とか____



 スヤスヤと寝息をたてる晴斗の、鼻の頭にチョンと触れてみた。


 晴斗はピクリとも動かない。



「………襲っちゃうぞ」


 そんな事して起こそうものなら、返される物の方が多そうで、絶っ対にしないけど……



 あっ!そうだ!

 こういう時こそ、寝顔を撮らなきゃ!


 私の携帯電話、昨日着てた制服の中だよね…って、昨日から充電してないじゃん!


 早く、充電……


 布団から出ようと、晴斗にクルリと背を向けたとき____



「……ねぇ、どこ行くの?」



 いつもより掠れた、低い声に気が付いた時には、後ろからお腹に腕を回され、引き寄せられるように抱きしめられていた。