意地悪な兄と恋愛ゲーム



 放課後の屋上に、美咲は足を踏み入れた。


 ここは普段から立ち入り禁止の場所だけれど、施錠はされておらず、たまにカップルがイチャつきにきたり、告白する際に呼び出す場所にされる事が多い。


 美咲はコソコソと、登ってきた階段の建物の裏側に回り込み、二人が来るのを待った。


 9月とはいえギラギラと、日射しは容赦なく照りつけてくる。


「あっつ…」


 額の汗を拭いながら、美咲はため息をついた。


「なんで、私がこんな事……」


 熱中症で死んだら、皆に化けてでてやるから!