意地悪な兄と恋愛ゲーム



「嘘だ…」


 美咲の動揺を見破るように、晴斗が訴えてくる。

 真剣な顔で見上げられて、身体が芯から火柱のように燃え上がりそうだった。


「今、何を考えてるの?」


 そんな事を口に出したら、恥ずかしすぎて死んでしまう。


「な、何も、考えてないっ」



「じゃあ俺の事、考えてよ…!」



 晴斗の真っ直ぐな言葉が、美咲の静かな部屋の中に響く。



「俺だけを見て、俺だけを想って欲しい……」



 切実に告げられて、堪えられなくなった美咲は、ついに目をギュッと閉じた。



「美咲の事が、好きなんだ……」



 力強いその台詞が、身体の中に深く深く刻み込まれていく。


 ずっと疑ってたけど、今、ようやく確信した。


 このゲームは、晴斗の気まぐれでも、暇つぶしでもない。 
 

 晴斗は本気で、私の事が好きなんだ___



「晴斗…」


 悶えそうな程、晴斗の告白を受け止めるのは、重く、苦しい。

 けれど、それを上回る程の幸せな気持ちが、身体の中から蓋が外れたように溢れてくる。


 どんなに威勢を張って強がったって、晴斗から目を背けようとしたって、この気持ちからは逃れられない____



  私もきっと、晴斗の事が_____