「テツオ!大丈夫!?」


その声にテツオは顔を上げて、拍子の抜けたように言った。

「大丈夫なわけないだろ。腕がないんだぜ。」

「違うの!熱がない?どう?」

くだらない冗談にもかまわない、その余りの慌てぶりに何かを感じ取ったのか、テツオは真顔になって答えた。


「ああ。昨日は怪我の影響で微熱があったけど、寝たら下がったよ。まあ、体温計で図ったわけじゃないけど。」

「そう、下がったの…。よかった。」

金網に指をかけながらそう言う亜季の様子を見て、テツオは不安そうに尋ねた。


「どうしたんだ?」

「え…。いや、その…。」

「正直に言ってくれ。」

テツオはまっすぐな目で見つめながら、亜季に向かってそう言った。


亜季は迷った。


「何を言われようが覚悟は出来てる。言ってくれ。」

「分かった…。」

テツオの勢いに押されたかのように亜季はそう言うと、呼吸を何度か整えた。


つらすぎる。