しかし何度かかけてみたものの、ついに電話はつながることは無かった。

土門は舌打ちをすると、携帯電話を乱暴に閉じる。


そう、着弾したのは土門の育った町だった。


その事実が現実感を伴うものとして襲い掛かってくると、土門の頭の中は真っ白になった。

「嘘だろ…。」


そう呟く土門の周りに座る乗客たちも、各々非難の言葉を発しながら、何度も携帯電話をかけ続けている。