歩道を歩くそんな亜季の横を、数多くの車が通り過ぎていく。

亜季はスーパーの袋を左手に持ち替えると、風で巻き上がる髪を右手で押さえた。


いつの間にか、亜季は早足になっていた。

吹き抜ける春の風を、軽快に駆け抜けていく。


その姿はまるで、やってくるであろう明日を、待ちきれないようにも見えた。