白のワンピースを着た亜季は、夏草の香り漂うホームで待ち続けた。


吹き抜ける熱い風や、照りつける太陽は、あの頃と何一つ変わっていない。

亜季はまぶしそうに、照り輝く太陽を見上げた。


きっとテツオはあの時と同じようにやってくる。

亜季ははやる胸を押さえながら、駅のさびた野ざらしのベンチに座って待ち続けた。


しかし、テツオはなかなか姿を現さなかった。