そしてテツオは頑張っている。

強い薬の副作用の激痛に耐えながら、自分の町の民衆を救おうと歯を食いしばっている。


なのに、亜季は言い知れない無力感に苛まれながら、ただただテレビモニターを見入ることしか出来ない。


零れ落ちる涙を必死で拭っても拭っても、次から次へと目から滴が溢れてくる。

そんな横顔を、伯父は隣で悲しそうに見つめることしか出来なかった。