そのあまりの勢いに、無神経なアナウンサーも思わずそう答えた。

いや、答えざるを得なかった。

なにせ、ときおり流れるヘリコプターによる上空からの映像では、彼の周りには同じような感情を待った人々が、裕に1万人は超えているのだから。


どうやらそのあまりの人数に、官邸近辺の道路は数キロにわたって交通禁止になっているようであった。


その光景を見て、亜季は思わず両手で顔を覆った。その横では、伯父が小さく呟いた。


「日本もまだ、棄てたもんじゃないのう。」