「ごめんなさい…。」

「いいんだよ、無理もない。」

顔を上げて優しく亜季の頭を撫でる伯父の姿を見て、自分が本当にひどいことを言ったのだと思った。


本当に自分は、いつまでたっても自己中心的な人間だ。


「さあ、行きなさい。テツオ君が待っている。」

伯父はそう言うと、おにぎりが入った風呂敷を亜季に差し出した。


亜季が眠っている間に、優しい伯父が握っておいてくれたのであろう。

「ありがとう、伯父さん。」

ここまでしてくれる伯父に、ひどいことを言ってしまった。

亜季は涙を必死に左手で拭きながら、大事そうにそれを受け取り胸に抱えると、さっと立ち上がった。


それを見て、伯父は心配そうに声をかけた。

「少し休むか。風呂でも入って行ったらどうだ?」

亜季はゆっくりと首を振った。