「馬鹿野郎っ! 先生はなぁ、いつでも生徒に全力投球なんだ!」

「ふざけんな! 全力投球にも時と場合があるだろうがっ。今回の件は、絶対にそんな時でもそんな場合でもない!」

もう一度、俺は机を叩いた。
周りにいる他の生徒達は静かに俺と草壁先生のやり取りを見つめている。
俺は草壁先生を見据えた。

何で、こんなことになったのだろう。

俺は激しく後悔した。


そもそも、こんなことになったのは、俺達の高校の校長の一言が発端だ。
日を遡ること一週間前。
4月の新学期を向かえ、全校生徒が集まる始業式。
突然、校長は何を思ったのか、こんなことを言い出した。

「本日から新しく『食堂委員会』というのを作ります」

にこやかに宣言する校長に、俺含めた生徒達は固まった。

「我が校の食堂はきれいなのに、とても廃れています。そこで、新しく『食堂委員会』を作り、活性化を目指します! メニューも一新します!」

校長は身を乗り出して、高らかに宣言した。
更には小指を立ててマイクを持ち、熱く語り始めた。
これはとても長いし、俺も思い出せないので省略させてもらう。

「あ、でも、メニューは委員会の皆さんで決めてもらいますよー。委員会のメンバーも私と先生達で勝手に決めさせてもらいましたので、メンバーになった生徒の皆さんは早速、今日からよろしくね~」

にこやかに手を振って、校長は颯爽と壇上から去っていった。
呆然と立ち尽くす、俺達生徒を残して。


それから始業式が終わった後、校長と先生達の独断と偏見(かどうかは知らない)によって、俺は『食堂委員会』の委員長にされた。何でだよ。