「結羽先生、今日は僕の行きたい所に付き合ってもらえませんか?」

「どこへ?」

優はポケットからスマホを出して結羽に見せた。

「ここからバスで20分くらいの広場で物産展があるんですよ、ここの肉食べてみたくないです?」

「美味しそう…」

「ですよね(笑)」

「一緒に行きませんか?」

「でも、誰かに会ったら…」

「別に気にしませんよ、園が休みの日に何をしたっていいでしょ、園児がいたら挨拶すればいいだけですよ…ねっ!」

結羽は頷いた。

「お肉にはビールですよね(笑)」

「もちろん、ビールもあるみたいです」

「また肥えちゃう」

「せっかくの連休なんで少しくらい大丈夫ですよ」

結羽はしばらく考えていたが

「…行きたいです」と返事をした。

優は嬉しそうに、じゃあ顔洗ってきますと1階に降りていった。

ついでに車に行き、シャツを着替えて部屋に戻った。

「えっ、あれ?服が変わってますね」

「はい、昨日は酒を呑んだら帰れないのわかってたんで着替えを車に積んでました(笑)」

「なるほど(笑)」

準備が出来たら声かけて下さいとソファで待つ優だった。


お待たせしましたと声がかかると結羽はワンピースを着ていた。

「可愛いです」

「あ、ありがとうございます、そんな事言われた事ないです」

「ちゃんと可愛らしいので体型も気にしなくて大丈夫ですよ、くびれもありますし、骨格がガッチリしてるんだと思いますよ」

「確かに遺伝もあるとは思うんですが食べる量もやっぱり多いのは自覚してます、じょう先生と同じくらい食べますしね」

「僕はよく食べる人の方が好きです」

2人でバス停まで歩きながら話す。

「でも子供もね、それぞれ食べる量が違うからちゃんと知ってないと吐く子供とかいて大変なんですよ」

「食べすぎるのを止めるのも判断が難しいですね」

「そうなんです、給食で好きなメニューだったら食べてしまいがちなんですよ」

会場までは保育談義に会話が途絶えることはなかった。

ゴールデンウィークの前半最終日とお天気もよくて物産展の会場は人がたくさんいた。

優の目当てのお肉もたくさんの人が並んでいる。

「他の所に並びますか?」

優は待たすのも悪いと思い提案をした。