氷河ちゃんは面倒くさがり

「あたしも仲良くしたい‥!宜しくお願いします、橘香さん、聖さん」

「橘香さん、なんて堅苦しい。詠楽でいいよ?」
「私も蘭莉で構わないわよ?」

「いいの?じゃあ、あたしも、兎亜って呼んで?」



あー目の保養。兎亜と橘香さん、聖さんは早速仲良くなったみたいで名前呼びで話している。


3人が仲良くなるなら、私が兎亜と話す機会は減るかな。でもいいか。

確かに私としては寂しいけど、兎亜にとってはこんな面倒くさがりな女より、明るくて可愛い友達と一緒にいる方がいいだろう。


「氷河さんも‥。仲良くして欲しいな?」


え、私!?急に橘香さんから仲良くして欲しい、と言われて軽く戸惑う。私なんて仲良くする価値なんてないと思うけど‥。



「私も。氷河さん、仲良くしてくれる?」
「わ、私でよければ、是非」


驚きで表情筋が固まって、嫌そうな返事をしてしまった。違うんですよ、お二方。

嫌なんかじゃなくて、寧ろ私なんかに声を掛けて貰える事すらおかしくて、頭の中がこんがらがってるだけなんです。