氷河ちゃんは面倒くさがり

「蘭莉ちゃんが雑誌で宣伝してくれたんです。だから蘭莉ちゃんのお陰でもあるんですよ」

「詠楽。見せなくて良かったのに‥」


そんな有名人と私が今出会ってる？そして私の名前を呼んだ？どうしよう、私の人生に１番ないと思ってた事じゃん。

そして、女優の聖さんと並んでも見劣りしない橘香さんも凄い。私だったら言わずもがな、現在進行形で霞んでいる。



雑誌で宣伝まで？本当にありがたい。これは聖さんにもお礼をきっちり言わないと。


「聖さん。ありがとうございました」

「そんな畏まらないでいいのよ？」


そう言いながらくすっと笑った聖さんは、紛れもなく美しかった。本当に何？私の周りの方々。何でこんなに顔がいいの？


神様！不公平ですよ。



トタトタトタ、と足音が聞こえ、振り向くと兎亜がいた。


「咲紀ちゃん。もうそろそろ本当に出番‥え！？聖蘭莉さん！？」


私に向かって報告をしてくれた兎亜。そして、私の隣にいる人に視線を向けた瞬間、手を口元に置いて聖さんの名前を叫んだ。

そっか。有名人だから知ってるよね。私が無知なだけか。