氷河ちゃんは面倒くさがり

そして、結果は圧勝。まずい、これは負けるかもしれない。

勝つつもりではあるんだけど、予想外。


私達はバスケとテニスに出る。そしてこの後幾つかの競技の準決勝戦?が終われば、私達対月宮先輩達のクラスメイトのバスケ、私達対恋華先輩達のクラスメイトのテニスが待っている。

ここで勝てるかどうかは五分五分だ。幸いな事にまだ時間はあるから心の準備は出来るけど‥。


そう思った時、なぜか月宮先輩が近づいてきた。


「氷河ちゃん。1年B組に橘香(たちばな)詠楽(えいら)さんがいるでしょ?彼女のご協力のお陰でこんなに人が集まったんだから、感謝を伝えに行ってきてくれる?」



生徒会の事か。なら面倒だ何だと言う訳にはいかない。

それにしても、感謝なら生徒会長が言った方がいいのでは?私みたいな下っ端ではなく。


まぁ確かに人を集めて、とお願いしに行ったのは私だけども。



「なぜ私ですか?ここは生徒会長の方が宜しいのでは?」

「俺はほら。先生へ言う事があるからさ。お願い氷河ちゃん」


くっ。先生を出されたら私には何も言う事は出来ない。いや別に橘香さんの所に行くのが嫌な訳ではないんだけど。

嫌ではないんだけど、相も変わらず顔がいい。そんな人の隣に並ぶなんて、烏滸がましすぎると言うというかなんというか。

うじうじ悩んでても仕方ない。行くか。そう思って先輩のところを後にした。


「橘香さん」