氷河ちゃんは面倒くさがり

ーおまけー
咲紀と兎亜が戻って、祐希、尊、恋華、弥空の4人になった時のお話


「‥ねぇ祐希。咲紀に付き纏うのって秘密をバラさないか見張る為じゃないでしょ」

「何でそう思うの?」

「だって明らかに牽制じゃないの。咲紀に近づく男がいたら目線で殺してるくせに」

「ちょっと、恋華ちゃん?殺す、なんて物騒な事‥」

「いや、弥空だって極道の仕事だったら殺すでしょ?」

「否定はしないけどね」

「殺す、って言ったら俺、昔祐希から聞くまで極道って人とか殺さないかと思ってた。何だかんだ人情に厚い、みたいな」


「っははは!そんなん御伽話の世界だね。
極道に産まれたからには男だろうが女だろうが人を殺す。殺さない、なんていう物語の極道は嘘だよ。ね、弥空」

「まぁそう。基本殺したりもするし、何なら尋問、拷問もしたりする。
ヤクザって格好いい〜とか言ってる人いるけど、本当に極道の世界に入ったら身近な人が次々に死んでいくからね。格好いいなんて言ってる暇なんてない」

「悲しいけどそれが現実なんだよ、尊」

「なんか聞いちゃいけない事を聞いた気分だ。で、祐希。氷河の事についての話はもういいのか?」

「あ、そうだった。ナイス尊。
‥‥そうだよ。尊と恋華、弥空だから話すけど、ただ単に俺が彼女と‥‥氷河咲紀と一緒にいたいからそれっぽい名目つけてるだけ」