氷河ちゃんは面倒くさがり

「でも兎亜ちゃんも慣れてる事ってあるでしょ?
例えば、祐希くんが咲紀ちゃんに付き纏ってる事とか」


確かに兎亜は、気付いた時には私が付き纏われているのについて何も言わなかった。

疑問に思っていなかったけど、言われてみれば確かにそうだ。


 本当に慣れって恐ろしい。


「そうですね。流石にそれは慣れました」

「で、兎亜。何の用があって戻ってきたの?」

「あ、そうそう。そろそろ咲紀ちゃん出番だよ」


あぁ嫌だ。面倒くさい。誰よ、球技大会なんて面倒な行事考えた人。

だけど兎亜の為。そう、兎亜の為。そう思って気力を奮い立たせる。


重い腰を上げて、先輩達に挨拶をする。


「了解。じゃあ先輩方。私と兎亜はこれで。失礼致します」

「んー。咲紀、手加減無用で来な。多分戦う事になると思うよ」

「分かりました‥!」


格好良く告げた恋華先輩に頭を下げ、兎亜と一緒に生徒会室から出た。



先輩達はまだ時間に余裕があるのか、それとも話したい事があるのか、どちらもなのか分からないけど、残ったままだった。