氷河ちゃんは面倒くさがり

「蝶月組が1番大きい組織。そして西藍組が2番目、悲しいけど俺の組が3番目だよ、氷河ちゃん」

「成程。ありがとうございます、恋華先輩、弥空先輩」

「月宮先輩も入れて?」

「ありがとーございます月宮先輩」

「棒読みっ!俺悲しい」


恋華先輩と弥空先輩が説明してくれたけど、月宮先輩は殆ど説明してくれてないんだから感謝する必要ある?

なんて命知らずな発言は心に留めて、棒読みで返す事にした。


この位は許してくれると思う。

今日何度目かも分からない泣き真似を披露する月宮先輩に、ひっそり溜め息が溢れた。


「弥空。鬱陶しくない?コイツ」

「まあちょっと鬱陶しいよね」

「弥空って意外と毒舌だよね‥。昔から」


恋華先輩、弥空先輩、同感です。

でも、そんな口を月宮先輩に向かって叩けるのは月宮先輩の幼馴染で、尚且つ彼女と言っても疑われない位の美貌を持つ先輩方だけ。



私みたいなちんちくりんがそんな失礼な事を言ったら、他の女子から妬まれるに違いない。

そうなった事を考えるだけで面倒くさい。